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アメリカ
歳のせいか、最近は新しい曲が全然覚えられない。
それよりも何も、新しい曲に接する機会そのものが減っている。
テレビをそれほど見るわけではないし、ましてラジオなどはまったくだ。
何かの折にふと聞こえた曲が、年に1回ぐらい「いい曲だなぁ。。。」と感じるかどうかだ。

そんな中で、結構以前から、巷では80年代の曲がよく聞かれるようになった。
オリジナルのままのときもあるし、カバーバージョンもあるが、80年代の曲、特にアメリカのポップミュージックは、自分にとってはとても懐かしい曲ばかりだ。

80年代前半の学生時代、当時FEN(現在のAFN)でオンエアーされていたケーシー・ケーサムのアメリカン・トップ40を毎週欠かさず聴いていた。なので、この頃にヒットした曲はだいたいすべて自分の心の遺伝子の中にしっかりと刻み込まれている。

これら80年代の曲を、今の20代ぐらいの若者たちはどういう風に感じて聴いているのだろう。ときどき、ふとそう思うときがある。
自分が同じく20代だった頃、60年代の曲をちょっぴり大人びたな気分に浸りながら聴いていたものだった。完全に「中年」の域に入ってしまった今でも、60年代(あるいは30年代)の曲を聞くと、一種独特な気分になってしまう。

80年代の曲は、ある意味、現在のポップスのベースをなしているように自分には思える。詳しいことは知らないが、現代のミュージシャンたちが使ってる楽器やテクニックは、基本的に80年代に完成していた。70年代と80年代では、大きく違って聞こえる音楽も、80年代と今とではそれほど大きく違って聞こえない(すくなくとも自分には)のは、その辺りが理由なんだろうと思う。

さて、すっかり前置きが長くなった上に、脱線してしまった。

私のプレイリストの最初の1曲として紹介するのは、サイモンとガーファンクルの『アメリカ』だ。これは、1968年にリリースされた『ブックエンド』というアルバムの収録曲。

私がこの曲を知ったのはずっとあとの1980年で、当時は大学のサークル活動に明け暮れていた。授業にも出ず、ほとんど部室に入り浸りながらサイモンとガーファンクルやビリー・ジョエルなどを聴いていた。



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AMERICA

"Let us be lovers. We'll marry our fortunes together"
"I've got some real estate here in my bag"
So we bought a pack of cigarettes and Mrs. Wagner pies
And we walked off to look for America

"Kathy," I said as we boarded a Greyhound in Pittsburgh
"Michigan seems like a dream to me now"
It took me four days to hitchhike from Saginaw
I've come to look for America

Laughing on the bus
Playing games with the faces
She said the man in the gabardine suit was a spy
I said "Be careful his bowtie is really a camera"

"Toss me a cigarette, I think there's one in my raincoat"
"We smoked the last one an hour ago"
So I looked at the scenery, she read her magazine
And the moon rose over an open field

"Kathy, I'm lost,"
I said, though I knew she was sleeping
"I'm empty and aching and I don't know why "

Counting the cars on the New Jersey Turnpike
They've all come to look for America
All come to look for America
All come to look for America


「僕たち愛し合って行こう。 結婚して財産を一緒にするんだ。」
「不動産なら、私のこのかばんの中にあるわよ。」
僕たちは,タバコを一箱とミセス・ワグナーのパイを買った。
そして、アメリカを探しに歩いて出かけた。

「ねぇ、キャシー」
ピッツバーグでグレイハンド・バスに乗るとき、僕は言った。
「今の僕には、ミシガンは夢みたいだよ。」
サギノーからヒッチハイクして4日かかった。
僕はアメリカを探しにやって来たんだ。

バスの中で、僕たちは笑いあった。
乗客の顔をネタしてからかいながら。
あのギャバジンのスーツの男はスパイよ、と、彼女が言う。
僕は言ってやった。「気をつけたほうがいいぜ。あの蝶ネクタイは本当はカメラなんだ。」

「タバコを投げくれないか?僕のレインコートに1つあったと思うけど。」
「1時間前に最後のを吸ったじゃない。」
しょうがなく僕は景色を眺めた。彼女は雑誌を読む。
何もない野原に月が浮かんでいる。

「キャシー、僕は自分がどうしていいかわからないんだ。」 
僕は言った。彼女が寝ているのは知っていたけれど。
「空しくて、心が痛むんだ。でもなぜだかわからない。」

ニュージャージーの高速道路を走る車を数えていた。
彼らはみんなアメリカを探しに来たのだ。
みんなアメリカを探しに来たのだ。
みんなアメリカを探しに来たのだ。 
     
(訳:宇宙猫星人)
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この曲が作られた頃、アメリカはベトナム戦争の泥沼に深く入り込み、多くの若者たちがヒッピーとなっていた。彼らは、自分たちのアメリカとは何か、そして本当の自分とは何かを探し求めていた。"I'm lost."とは、「道に迷う」「途方に暮れる」「負けた」といった意味だが、当時の若者たちの心を象徴するような言葉だ。

自分がこの曲が好きなのは、特に深い理由があるわけではない。心がふとエアポケットに入って無意識に虚空を見つめているような瞬間、この曲を口ずさんでいることが多い。

それは、この何知れない諦観の漂うメロディーに載せて描かれているアイデンティティー探しの旅が、何十年も経て、今でも自分の心の中で"I'm lost...I'm empty and aching and I don't know why "とリフレインしているせいなのかも知れない。。。


by spacecat2006 | 2006-09-19 19:36 | ● 好きな曲
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■■■■ PROFILE ■
位相の違いで地球からは見えないが、太陽系から約ニャン光年離れた宇宙猫星にたった一匹で住んでいる。

地球は縄張りの一つで、宇宙猫星と地球の間をニャープで往復しながら、人類の精神面における進化を観察中。

最近では、高次な次元につながると『猫さま』に変身すると言われている。

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